Never Magic
部屋に入ると、静気さを感じた。
いつも八人まとめて同じ部屋なので、騒がしいんだけど。
一人っ子じゃなくて良かったとも思う。
八人が多すぎるって思う人もいるかもしれない、でも僕はそうは思わない。寧ろ良かったって思っている。
喧嘩なんかもたまにする。その時は大変だけど。

「…よし」

用意出来た荷物を僕は背負った。
そして、僕は杖を片手に地面に向ける。
皆王子達には魔力がある。
それぞれの能力は違う。僕は移空間と言う能力を持っている。テレポートと同じ。
だから人間界へ行くには楽ちんなのである。
けれど、魔力には限界がある。
魔力が尽きると気絶をしてしまう。休めば魔力をチャージ出来る。
僕はそんな事はないのだ。何故なら、僕は珍しい子で、Never Magicと言うもう一つの能力を持っている。
これは、魔力が尽きる事ないと言う能力だ。
いくらでも使えるが、寿命が短いらしい。
その事を聞いたあの八人は、別に何にも変わらず、普通に今まで通り接してきた。
僕としてもその方が良い。気遣いはかえって嫌だ。
幾つまでしか生きられないか分からないけど、僕は毎日が楽しいからそれでも良いって思った。
< 3 / 41 >

この作品をシェア

pagetop