Never Magic
「随分遅かったな」
「迷ってしまいました…」
「近いのにか?」
「ゆっきーが覚えておいてくれないからぁ」
「僕の所為にしないで」
「もういいから座れ」
「「はい…」」
ドリンクバーと僕らの席は近かった。
なのに迷った。
おろついている僕らを店員さんが気にかけてくれたようで、「どうないました?」と聞いてくれた。
僕らは「いえ、何でもないですー」と返事をして逆方向へ。
すると、司の姿があったので、その場所へと歩いていった。
こうして僕らは無事、司の所へと戻れたのだった。
場所を覚えておかないと。
「お前らに行かせたのが間違ったな。あ、ジュース、サンキュー」
明らかに馬鹿にされちゃいました。
だが反論は出来まい。
本当にどうして迷うかなぁ。
こんなに近かったなんて。
「…倖のそれ、何のジュースだ?」
「レモネードだけど…」
「一口くれないか?」
「良いよ」
僕はレモネードのジュースを司に渡した。
司は少し飲んで一言。
「あんまりすっぱいもんばかり飲んでると体に悪いぞ…」
すっぱかったらしく、少し顔を歪めながら言う。
「そう?あんまりすっぱくはないけど」
「舌が可笑しいんじゃないのか?」
「人ぞれぞれです」
そう言う司も舌が可笑しいんじゃないか。
毎朝毎朝苦いコーヒーばかりを飲んでいる。
それこそ体に悪いに違いない。
ちなみに朔は甘いものが好きらしい。(ちなみにって何!BY朔)