Never Magic
食べ終えた僕らは朔の家に行く。
そして、司に朔の家に一緒に住まないかと誘った。
一緒にいれば何となく安心する。
探す事ないもだから。
まぁ、朔がメアド知ってるから連絡をすればいいんだけどさ。
聞いてみると、司はOKと言う。
朔と「やったー」なんて言いながらハイタッチしていた。
二人より三人、三人より四人、とか言うもんね。
家について司の第一声が、
「食べ物屋か、この家は」
だった。
絨毯も、ソファも、テーブルも、何もかもが果物だったり、何かしら食べ物である。
朔の食べ物好きは凄く半端ではない。
あれだけ食べて、太らないし。
よかったよねぇ。食べて太ってたら減食されてましたよ。
「良いでしょぉ~!僕の家」
「…お前好みの部屋だな」
「そう言う風に変えちゃえましたからぁ」
へへへ、と笑う朔。
眼鏡を押し上げる司。
そんな二人を見ている僕。
これで三人の王子が集まった。
残りは五人。後の五人が何処にいるのか、それがわからない。
一人は学校、もう一人はエリーに会いに、もう一人は幽霊探索、もう一人が遊びに、もう一人は…倖、行って来るねしか書いてなかったな。
もしかしたら、司が何かメアド知ってるかもしれない。
「司、誰か他でメアド知ってる人いる?」
少し期待を持って言って見る。
すると、司は言う。
「いや、俺は朔以外メアドを知らないが」
残念。
皆、メアド交換しとけよ。
普通兄弟でも、皆のメアド交換するでしょ。
…そりゃぁ、僕は携帯と言う物を持ってないからメアド交換出来ないさ。
だから他の人がメアドを登録しなきゃ、意味ないじゃん。
ほんっとうにあの人達は何処にいるんだろうか。
学校ったって沢山あるし。幽霊が出そうな所なんて沢山あるし。エリーなんて世界中何処にでもいるし。遊び場なんて沢山あるし。言ってくるねーって言っても行き場所なんて沢山あるし。
こんなんじゃぁ検討がつかない。
永遠に見つからなかったりして。
いや、大丈夫の筈。
だって、こっちには司がいるじゃないか。
司なら皆の居場所を突き止める事が出来る筈…。
…それに期待しよう。