Never Magic
不思議の国の倖




目を覚ましたら、見知らぬ場所。
辺りは森で、何処をどうみても森。
歩いても、ずっと変わらぬ景色。
一寸先は怖く黒い闇。
僕はココでいったい何をしているんだろうか。
ココで、何をしに、どうやってココまで来たのだろうか。
こんな森、いったいあの大阪の何処にあると言うのだろうか。

『貴方は探している』

『人を探している』

『けれど、自分の人生は?』

『自分の人生を無駄に生きてない?』

何処からか聞こえてくる声。

何処かで聞いた事のあるような声だった。
僕に話しかけてくるのは誰?

『残りの人生は短い』

『自覚をしているのなら』

『もっと大切に生きていかなきゃいけない』

僕は今まで自分では大切に生活をしていると、自覚をしていた。
一日一日を大切に、仲間と過ごしてきた。
それを大切に生きていない様な言い方で語ってくる人は誰なの?

『貴方がすべき事』

『それは』

『貴方のNever Magicを解く事』

解く?あの、Never Magicを?

『その答えがココにある』

『探して』

『この世界を必死になって』

『答えは歩いてこない』

『自ら歩いて行って掴み取る』

僕はその声の言っている事がわからない。
あの、Never Magicを解く鍵が、人間の世界に何故あるの?
どうして、その答えがあるの?
声の主、教えて。
どうして、人間の世界なの?

『それは答えを探してからのお楽しみ』

『探せばきっとわかるよ』

『一度来た事のある人間界を』

『探せばね』

待って…僕は人間界へ来た事はない。今回が初めてだ。
何故声の主が以前来たと言うのだろうか。
わからない。僕には5歳くらいからの記憶はない。

『その記憶がこの不思議な世界にあるんだよ』

『面白いものが見えるよ』

僕は歩いた。その、記憶を探す為に。
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