Never Magic
嫌な顔をしたと思ったら、いきなり両手で顔を覆って叫ぶ。

「酷いっ!僕は弟をこんな子に育てた覚えはないわよっ!!」

「僕も朔に育てられた覚えはない」

冷たく言う僕に更に気を落としてしまった朔。

「また買ってもらえば良い事なんだから、帰ろうよ」

「絶対嫌だね」

さっきの暗い表情とは違い、朔は僕に向かってアッカンベーをしてくる。

「この世界の食べ物を食べ尽くしたら帰ってやっても良いよ」

「…どのくらい食べた?」

「まだほんのチョットだよ。これからこの大阪から抜けていろんな食べ物を食べるんだ!」

意気揚々と言う朔。
僕はアイスを食べ終え、コーンをカジっていた。
真夏はやはり暑く、アイスを食べただけじゃ暑さなんておさまらなかった。
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