Never Magic
†30分後…†
『行かないで!』
『奈桜っ、ついて来ちゃ駄目だっ』
『いやぁっ』
『奈桜ーーっ!!』
「…………」
「………あのぉ、ゆっきー?」
「……(泣)」
人間界のドラマがこんなに面白い物だと初めて知った日だ。
悲恋は好きじゃなかったけど、このドラマを見て感動しました。
良いね、悲恋のドラマ。
「ゆっきー!!」
「ん、何…グス」
「感動で泣いてるのは良いけど、ご飯出来たよ。ドラマ終わったんでしょ?ならご飯食べて元気だしなって」
僕は肯いて、席に着いた。
いろんなご飯がテーブルに盛られていた。
「…僕、こんなに食べれないよぉ…」
「僕も食べるの。ほら、頂まーす」
箸を持つと、朔は早速食べ始める。
次々に料理を頬張っていく。
僕も箸を右に持ち、団子型をした肉を食べる。
「……美味しい」
「でしょー?」
人間界にこんな美味しい料理があったんだ。
「これも食べてみ」
「うん…」
僕はこの日、とても楽しい一日を過ごした。
朔を魔界へ連れて帰る事は出来なかった。でも、楽しかったからそんな事を忘れていたのだ。
思い出した頃は夜中で、朔は寝ていた。
仕方なく僕は手紙を書いた。