未来へのボール*SUMMER*

―――体育館裏にて。


あたしとミナは、

壁に寄りかかって並んでいた。


「「…。」」

沈黙。まぁ、分かってたけど。


勿論、ミナがこの後あたしに

投げ掛ける言葉も予想はついてる。


「…なんで居なくなったの…?」

ホラね。予想通り。


さっきと、同じ質問。


「…理由なんて、無いよ。」

あたしの答えも、さっきと同じ。


あたしの過去。

ソレは、ごくわずかな人しか

知り得ないモノ。


そして、その内の1人は、

深い眠りについている。

長くて、とても深い眠りに。


「……嘘つかないで。

ラルが理由も無いのに

バスケの試合を放置する

ワケがないじゃない。」

ミナの目が、真剣で。


あたしを捕らえて、離さない。





< 108 / 156 >

この作品をシェア

pagetop