未来へのボール*SUMMER*
―――体育館裏にて。
あたしとミナは、
壁に寄りかかって並んでいた。
「「…。」」
沈黙。まぁ、分かってたけど。
勿論、ミナがこの後あたしに
投げ掛ける言葉も予想はついてる。
「…なんで居なくなったの…?」
ホラね。予想通り。
さっきと、同じ質問。
「…理由なんて、無いよ。」
あたしの答えも、さっきと同じ。
あたしの過去。
ソレは、ごくわずかな人しか
知り得ないモノ。
そして、その内の1人は、
深い眠りについている。
長くて、とても深い眠りに。
「……嘘つかないで。
ラルが理由も無いのに
バスケの試合を放置する
ワケがないじゃない。」
ミナの目が、真剣で。
あたしを捕らえて、離さない。