未来へのボール*SUMMER*

「……っ。」

あ。どこだここ。


さっきの真っ白な空間じゃない。

目の前には、クリーム色の…天井?


天井…あ、あたし寝てたのか。

ここはどこかな。


とりあえず、起き上がるあたし。


「んしょ…。」

…保健室??ってここ学校じゃないし。


えーっと…合宿所に来てるから…

医務室?って所かな。


《シャーーッ》

あら。あたしのいるベッドの周りを

仕切っていたカーテンが開いた。


「あ、起きた。」

開けたのは、サクト先輩だった。


サクト先輩は「よっこらせ。」と言って

ベッドの横にある椅子に座る。


どこのオッサンだよ、あんた。


「…ラル?」


「………はい。」


「何で泣いてんだ。」


「…………え。」

泣いてる?


サクト先輩が、手を伸ばす。

あたしの、頬に触れた。






< 112 / 156 >

この作品をシェア

pagetop