未来へのボール*SUMMER*
「……っ。」
あ。どこだここ。
さっきの真っ白な空間じゃない。
目の前には、クリーム色の…天井?
天井…あ、あたし寝てたのか。
ここはどこかな。
とりあえず、起き上がるあたし。
「んしょ…。」
…保健室??ってここ学校じゃないし。
えーっと…合宿所に来てるから…
医務室?って所かな。
《シャーーッ》
あら。あたしのいるベッドの周りを
仕切っていたカーテンが開いた。
「あ、起きた。」
開けたのは、サクト先輩だった。
サクト先輩は「よっこらせ。」と言って
ベッドの横にある椅子に座る。
どこのオッサンだよ、あんた。
「…ラル?」
「………はい。」
「何で泣いてんだ。」
「…………え。」
泣いてる?
サクト先輩が、手を伸ばす。
あたしの、頬に触れた。