未来へのボール*SUMMER*

本当のことを言うべきなんだろうか。


あたしは嘘は得意だ。

今まで数えきれない程、

嘘をついてきた。


たとえソレが、友達だったとしても。

たとえソレが、親友だったとしても。


あたしは、嘘つきだから。


「何も」


「嘘はつくなよ?」

なのに、何で。

何であなたには、嘘がつけないの。


皆に、嘘をついてきた。

自分を守るためなら、

自分が傷つかないためなら、

いくらでもって。


今だって。

あたしがあたしを守るためには、

嘘をつかなきゃいけない。


でも。でもね、何でだろう。

サクト先輩…あなたには、

嘘をつきたくないって思うんだ。


何、今さら…

嘘つきが嫌になったのかな。


あなたの前だけでは、

嘘つきでいたくないって

思うあたしが、どこかにいる。


何なの、意味分かんない。

自分の、心なのにね。


「…言いたくないか?悪い。」






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