未来へのボール*SUMMER*
聞いてみることにした。
「先輩。合宿のことあたし
知らなかったんですけど。」
聞いてみた。
シンプルに。
シンプル・イズ・ベストですから。
「……そりゃぁ。
俺、言ってねぇかんな。」
…………………は?
いや、いやいやいやいや。
「…………は?」
あ、いかん。声に出た。
いやでも、なんで?
「いやなんか。
………………わ、忘れてた?」
嘘だろ。
いや絶対に嘘だろ。
「………。」
あたしは無言に先輩を見つめた。
若干視線に冷たさを込めて。