未来へのボール*SUMMER*
冷静ながら、状況がさっぱりの
俺の鼻に、ふわりと甘い香りがした。
この匂い…って。
「え、ラル?」
間違いない。ラルの匂いだ。
てかなんか、胸周辺が苦しい。
で、温かい。
この状況…もしかして……。
そうっと、下を見る。
………やはり。
俺の見た先には。
「………大丈夫か?」
俺に抱きついて震えている、
ラルが居た。
てか、さっきのペチャッて、
こんにゃくだったな。
つくづくベタな仕掛けだな。
ラルは、引っ掛かったらしいが。
「ラル?大丈夫だって。」
「………っ……。」
震えているラルは不謹慎ながら
可愛いと思う。
俺は必死にラルをなだめる。
「木からこんにゃく
吊り下げてあったぞ?
お前もそれに当たったのか?」