未来へのボール*SUMMER*

「……とりあえずな?」


「…はい。」


「帰ろうか。」

皆待ってるしな。

それに。


「地面にも虫居るんだから、

いつまでも座ってらんねぇだろ?」

俺がそう言うと、

ラルはすぐさま立ち上がった。


その間、わずか0.2秒。

その瞬発力はマジで尊敬する。


「帰りましょう。」

お、いつもの冷静(とゆうか無表情)の

ラルに戻ったな。


「先輩、早くっ。」

うーん…。

まだ少し戻ってはいなかったな。


でも、焦るラルも可愛い…。

……誰だ、俺。何キャラ??


「せっ、先輩っ。」


《パシッ》

……………お?


ラルは一向に動かない俺の手を

自分から握ってきた。





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