未来へのボール*SUMMER*
《ガラガラ…》
学校と同様、体育館の重いドアを
ゆっくりと開ける。
体育館に入って、様子を見る。
うわ、もう殆ど皆来てるし。
サクト先輩も…来てる。
現在、7時50分。…間に合った。
と言っても朝食食べてないし。
早くも餓死しそうな勢いですから。
「あら、おはよう、ラル。」
「あっ…シノ先輩。
おはようございます。」
空腹感をどうしようか考えていたら、
シノ先輩が挨拶をしてきた。
「…なんか随分と眠そうね、ラル。
目がまだ起きてないわよ。」
え、マジですか。
目が起きてないって…
むしろどうすれば目が
起きてるように見えるんだろうか。
眠くてこれ以上目が開かないし…。
「なんだラル、眠いのか?」
「えっ…。」
背後から突然聞こえた声。
この声は…。