未来へのボール*SUMMER*
《ダンッダンッ》
《キュッキュッ》
………。
練習が始まっても、
気づけばあたしは
サクト先輩ばかりを見ていた。
何でだろう。
何故か目が離せないんだ。
………あっ。先輩がこっち向いた。
なんか、嬉しい…。
こっちを向いて、
ニコッと笑ったサクト先輩。
―――ドクンッ。
う わ 。
どうしようどうしよう。
心臓の鼓動がとてつもなく早い。
顔が全身の熱を
集中させたみたいに熱い。
「ラルー。」
「っ!?」
突然後ろから名前を呼ばれて、
思いっきり跳び跳ねるあたし。
あたしの名前を呼んだのは
ミツだった。
「…あれ。ラル、顔赤いけど…。」