未来へのボール*SUMMER*
《ダンッダンッ》
やっべぇ…。
ラル、やっぱスゲェ上手い。
「まず、今のレム先輩は
こうなってて…手首が…。」
喋りながらも俺を器用によけるボール。
いや、器用によけさせるラル。
俺、結構マジなんだけど。
「―――と、まぁとりあえず
このままだとディフェンス側に
ボールが取られやすいんです。」
嘘つけ。
俺お前のボール全然取れそうもねぇぞ。
《ダンッダンッ》
「で、今から手首を少し使います。
…………と。」
《ダンッ》
あれ。
何だ、さっきよりも…。
あ。
「さっきよりも楽に
ディフェンスを抜けます。」
気がつくとラルは俺の背中側にいた。
何だ、今の。