未来へのボール*SUMMER*
「シノと話し合った結果だ。」
シノ先輩…。
「無理です。出られません。」
お願い。諦めてください。
今のあたしに、バスケは辛い。
マネージャーになって、
ようやくバスケを見れるようになった。
でも。どうしても…。
怖い。
怖いんだ。
「そうか。じゃあ部長命令だ。
甲斐沢の代わりに試合に出ろ。」
「そんな勝手な…!」
「ラル。」
サクト先輩に反論を言う前に、
シノ先輩があたしを呼んだ。
あたしはシノ先輩の方を向く。
「代わりはあなたしかいないの。
大丈夫よ。
皆にも了承して貰ったから。」
違う。
「ラル。頼んだからな。」
違う。
皆、何も分かってない。