未来へのボール*SUMMER*
「まぁ、ミーティングっつっても、
夏休みの部活についてな。」
サクト先輩がスラスラと言葉を出す。
……随分涼しげな顔をしてるけど。
ここ、暑いよ…。
「ラル、コレ読んで。」
サクト先輩はあたしに
1枚のプリントを渡してきた。
この人に毛穴は無いんだろうか。
皆熱のこもりやすい体育館のおかげで
汗を流してる。
一方、サクト先輩は汗どころか
爽やかなオーラが満ち溢れている。
………人間って、不公平だなぁ。
「ラル?」
中々プリントを受け取らないあたしに
違和感を感じ取ったのか、
サクト先輩は
またあたしの名前を呼んできた。