未来へのボール*SUMMER*
「……っ、はいっ。」
「よっしゃ。」
そう言って、
先輩はあたしの体を離す。
スッと心地いい温もりが無くなり、
寂しく感じてしまう。
すると先輩に肩を掴まれ、
クルッと体を反転させられる。
あたしは必然的に、
先輩と向き合う体制になる。
先輩は、まっすぐあたしを見て言った。
「いいか、ラル。
1人で抱え込むなよ。
誰も頼れないときは俺を頼れ。」
……っ。
何で、どうして先輩はここまで
してくれるのだろう。
こんな、あたしに。
「…はい…。」
「よっし。
じゃあアップちゃんとしろよ?」
微笑む先輩。
……なんかいつもの数倍
かっこよく見える気がする。
「はい。」