希翼[キオク]


翼の小さな体には
ちょっと大きすぎる箱


その中に翼の顔を残してぎっしりとおかれた花々
贈り物




翼は
やっぱり笑っている



あたしにはそう見えたよ





あぁ…
だめだ



そんな翼の顔見たら
もう抑えきれない



どんどんどんどん
溢れてくるよ



もう止まらない…





あたしはぼろぼろ泣きながら

そんなあたしを目の前にしても
ほほえんで変わらない翼の顔の横に
手紙を書いた折り紙と
花をおいた



「翼…」





あたしはそれしかいえなくて
声にならなくて


辛くて
とまらなくて
あふれ出す気持ちを
これ以上抑えられなくて

花をおいてあたしはすぐに自分の席に戻った







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