ライオン
「ねぇねぇ、名前なんて言うの?」

こういうガキは相手にしたら、余計つけあがる。
無視だ、無視。

「何で無視すんの?当ててあげよっか?」

「……」

湊は健次の様子に、少しつまらなそうな表情を浮かべる。
「そんなツンツンしないでよ、健次」

「なっ!?……何で名前知ってんだ!
てかしつけぇよ。
ついてくんなって言ったら、ついてくんな!」

健次は少女を怒鳴るが、怒鳴られた本人は、特に驚いた様子も無くニコニコしている。

「名前当てられて驚いた?
次は私の番ね。
私の名前はみなと、神湊『じんみなと』」

「だから興味な……、お前、今何て言った?」
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