ライオン
「さてと……、健次もノリ悪いし、次に行きましょうか」

そう言って湊はベンチから立ち上がった。

「まだどっか行くのか?
正直、面倒なんだが」

「あら?お願いは3つって言ったはずよ?
まだ2つしか叶えてもらってないわ」

健次は湊の言葉に思わずため息が漏れるが、諦めたようにベンチから立ち上がる。

「わかってるよ……。
次は何するんだ?殺人?
それとも強盗でもしてみるか?」

健次は冗談半分で悪態をついたが、湊は少し驚いた表情で声をあげた。

「正解!よくわかったわね?
そうよ、最後のお願いは、健次君に強盗をしてもらう!」

『おいおい、マジかよ』
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