ライオン
「健次、どうした……の?」

湊もこの状況に気付いたらしい、固まって動かない。
俺は気付けばレジに向かって歩を進めていた。

あの時……。

一歩、一歩と。

俺が……。

強盗が店員の視線に気づき、俺に銃を向ける。

俺が……、動けていたら!
パァーン……。

「健次……!」

湊の声と、乾いた銃声が店内に響く。
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