ライオン
「……過ぎた事はもういい。
投げやりとは言え、強盗倒した訳だし。
最後は最悪だったけど」
「……ごめん」
俺は壊れた人形のように、ただ同じ台詞を呟き続けた。
湊はまた大きな溜息をはくと、ベンチから立ち上がり、俺の正面に立った。
「健次、よく聞きなさい!
形はどうあれ、貴方の行動はまるでライオンのように勇敢だったわ!」
湊は一度言葉を区切ると、幼い表情から一変。
大人びた、それでいて厳しい表情に変わった。
「けどね、命は物じゃない。
雄太は!私の弟は!最後まで生きる為に闘った。
健次の為、誰かの為に!
今はまだ心の整理がつかないかもしれない。
それでもこれだけは言える。
健次が自分を責めつづけるのを、雄太が喜ぶはずない。
そんな簡単なこと、雄太の親友だった貴方がわからないの?」
投げやりとは言え、強盗倒した訳だし。
最後は最悪だったけど」
「……ごめん」
俺は壊れた人形のように、ただ同じ台詞を呟き続けた。
湊はまた大きな溜息をはくと、ベンチから立ち上がり、俺の正面に立った。
「健次、よく聞きなさい!
形はどうあれ、貴方の行動はまるでライオンのように勇敢だったわ!」
湊は一度言葉を区切ると、幼い表情から一変。
大人びた、それでいて厳しい表情に変わった。
「けどね、命は物じゃない。
雄太は!私の弟は!最後まで生きる為に闘った。
健次の為、誰かの為に!
今はまだ心の整理がつかないかもしれない。
それでもこれだけは言える。
健次が自分を責めつづけるのを、雄太が喜ぶはずない。
そんな簡単なこと、雄太の親友だった貴方がわからないの?」