ライオン
このままじゃ普通に渡り終えちまうな。

面白味に欠ける。

「うぉ……!?」

「?!??!!」

「なんつって、冗談だよ…。ん?」

あれ?足滑らせた振りしたら、二人とも腰抜かしちまったか?

無事渡り終えた俺は圭一の肩を叩く。

「五万円な」

圭一は青い顔をしながら、腰を抜かした体勢で健次を見上げる。

「……ツケといて」

いつもと変わらない圭一の台詞に、俺は呆れたように笑みを浮かべる。

「またかよ。圭一君お得意の青天井ツケ払い。
いつまで腰抜かしてんだ?
いくぞ」
< 6 / 47 >

この作品をシェア

pagetop