ライオン
俺達三人は歩道橋から離れ、街中をあてもなく歩く。

「それにしても健次は相変わらず恐い物知らずと言うか……。
命知らずと言うべきか?
普通あんな事、素面(しらふ)じゃ出来ないぜ?」

「俺は不死身だから落ちても大丈夫なんだよ。
それにいつも言ってるだろ?
刺激が無ければ生きてる意味なんてねぇ」

俺の言葉に圭一は呆れた表情を浮かべ、ため息を吐く。

そこに梨華が割って入る。
「何言ってんの!
そういう所も含めてケンちゃんの魅力じゃない。ねー、ケンちゃん?」

梨華は俺にくっつくように腕を組む。

「あんま密着すんな……。暑苦しい」

「けど俺たちも暇人だよな。
ゲーセンでも行くか?」

圭一の提案に、梨華は笑顔を俺に向け、声を弾ませる。

「いいね!新しいゲーム入ってるかな?
早く行こうよ!」

「だから腕を引っ張んなって」
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