お望み通り、構ってあげようか
そんな彼が怖くていやだという子もいるけれど、むしろ私は逆だ。そんなことはない。あるはずがない。
涼しげを通り越して冷たい眦とか、最高じゃないか。
「どうやら、まだまだ指導が足りないみたいだね」
ハア、と溜め息混じりに告げられる。がっかりされた、と落ち込む一方で、私は高鳴る胸の鼓動を抑えられない。
傷つけられるものなら傷つけてほしい。
いっそ抉ってもらったって構わない。
支配されたい。支配して欲しい、私を。
「お望み通り、構ってあげようか」
――黒曜石のように冷たく熱い、強烈な、切れ長の瞳で。