威鶴の瞳
バタン、扉が閉まると同時に、怒りの雄叫び。
そうだ、過去でほとんど女が視界に入らなかった。
毎日喧嘩ばかり。
ただユーキと会ってからは違った。
他の男と同じように扱っていたし、信頼もしているようだった。
先日バラした事によって、意識し始めたのかもしれない。
「まぁ、いい傾向だろう」
エレベーターの中でポツリ、呟く。
それに反応したトーマ。
「お前キチクだよな」
「別に、誰に恋してるかとまでは言ってない」
「それ変に誤解生むかもしれねーよな……やっぱキチクだ」
チン、という音と共に1階に到着。
さて、とりあえず報告が終わったら、絞り込みはマサルと雷知の仕事だ。
朝日がでるまであとニ時間。
俺たちはいつも通り、BOMBへと戻って行った。