威鶴の瞳
……いやまって、なに、ちゃんとって、女の子って、なに。
何を期待、してるの。
なんでトーマに、そんな……乙女チックなこと、思ってるの。
自分で自分が、わけわからない。
「なぁ。威鶴……って、男の方な?アイツの能力、俺も知ってんだけどな」
「え、あ、はい」
「依鶴さんも占い出来んだろ?そういうのって、血筋みたいなもん?」
「……」
さて、今度はどう答えましょうか。
血筋と言うか、なんというか、いづるは一人の人間だからであって……。
遺伝?
いやなんか違う。
血筋……とも言い難い。
「ええと……占いは、言ってしまえば誰でもできる可能性があるものです、から……能力とか、そういうのじゃないです」
「誰でも?」
「子供でも出来るでしょう?お天気占いとか、花占いとか。投げた靴が表なら明日晴れ、裏なら雨。タロット占いも趣味でする人とかいますし、ね?」