威鶴の瞳
「今の内に一応この先を見ておこう。トーマ」
「はいよ」
再びサングラスを外して、俺にその瞳を見せるトーマ。
――未来が脳裏を支配する。
「……着いてすぐは誰もいない。パスワードを押して……中に人がいる。五人だ……でも面倒なことになりそうだ」
「なに?」
チン、という高い音と共に扉が開く。
その音従い、俺たちはエレベーターを降りる。
「さっきまでとは違って、なかなかの実力者らしい。動きが早い。トップもしばらく動かない。いけるか?」
「行かなきゃ金がはいらねぇんだろ?」
「そうだな」
扉の前にあるリーダーにさっき赤男からスッたカードキーをスライドさせ、パスワードを入力。
確か、1298。
確定を押すと、カチャリ、鍵が開く。