威鶴の瞳
まだ話せない事も多いけど、いつかは話したいと思う。
それから用事が済んだ透眞に帰っていいよと言い、玄関まで見送った。
「本当に大丈夫か?」
「大丈夫ですよ」
「そんなんで夕飯食えんのか?」
「あー……威鶴くんが来てくれるらしいので」
あはは、苦笑い。
威鶴がなんだか家庭的みたいになってる。
「それなら大丈夫か」
透眞がそう言った言葉に、私は正直驚いた。
何の根拠もない。
だって彼の前で料理や、誰かの面倒を見ることなんて、したことがないはずだから。
「威鶴くんには、任せられるんですか……?」
「アイツは誰よりも器用だし、料理くらい目つむってでも出来そうだからな」
さすがにそれはムリだと思う。