威鶴の瞳
……会いたくないなぁ……。
BOMBに着くその時までずっと、俺はひたすらそう思っていた。
BOMBに着くと、珍しくトーマが先に来ていた。
「珍しいな、明日は大雪か」
「あ?今は夏……っつーか威鶴テメー1時間早く伝えやがっただろ!?」
「……!!ぐ、ぐるじいっす、トーマさん!」
「遅刻魔が何を言う」
「今回は別だ、コイツが戻って来たのを確かめなきゃいけなかったからな」
「腕、首絞まってる……っす、トーマさん!今一瞬天国がチラ見したっす!」
「ところでトーマ」
「なんだ?」
俺は来た時からずっと気になっていたそれを聞いた。
「そいつ、誰?」
「空気だ」
「勝手に空気にしないでくださいよトーマさん!」
トーマの腕の中で首を絞められている男。
口で反抗してる割には嬉しそうなその男。
そうか、Mか。