威鶴の瞳
次の瞬間、何かが俺を目掛けて飛んできた。
それをスッと避ける。
振り投げる音から、場所、方向、力加減を推測し、それを避ける。
俺にとったら簡単なことだ。
一歩ずれればいいだけのこと。
トスッ、壁に刃物が突き刺さる音がした。
果物ナイフか、物騒なものを飛ばしてくる。。
「物騒なものを持っているな、最近のガキ……若い者は」
おうおう危ない、危うく失言するところだった。
しかし既に遅かったらしく、相手は怒っている。
「今ガキっつったろ!?」
「さて、なんのことだか」
あくまで言っていない振りをするけれどまぁ、遅いよな。
本当に挑発になってしまうから……と言っても、もう十分すぎるほど二人で挑発を繰り返していた気がしなくもない。
相手のTOPがこちらに聞いてくる。
「コイツらもイラついてるようだし、そろそろいいか?」