威鶴の瞳


『少しキツいやつ』

それが示すことは、ただ問いただすだけの生易しいことはしていない、ということ。

つまり、精神的に追い込んで問いただすという形式だろう。



「あのマサルにそんな事が出来たのか」

「普段はあの能天気な顔でカバーしてるけどな」



興味はあるが、そのタイプは厄介だ。

敵に回したくない。



前にも少し感じたが、どうやら俺はマサルとは相性が悪いようだ。



「情報収集から場所や人物の割り出しや特定までは、俺の仕事。威鶴がくれた情報から、電車の位置や場所を特定したのは俺な」

「あぁ、なんとなくそれはわかる」



「それから人と対立する事全般がマサルの仕事だ。愛想のいい顔して、初めて会う人でも信頼を得て情報を聞き出したり、犯人や被害者にも適切な対応をする」



確かに、あのタイプは話し上手だ。

誰とでも打ち解けられるだろう。



でもそれだけじゃBOMBにいる理由がない。



「他に何か、持ってるんだろ?」

< 150 / 500 >

この作品をシェア

pagetop