威鶴の瞳
『少しキツいやつ』
それが示すことは、ただ問いただすだけの生易しいことはしていない、ということ。
つまり、精神的に追い込んで問いただすという形式だろう。
「あのマサルにそんな事が出来たのか」
「普段はあの能天気な顔でカバーしてるけどな」
興味はあるが、そのタイプは厄介だ。
敵に回したくない。
前にも少し感じたが、どうやら俺はマサルとは相性が悪いようだ。
「情報収集から場所や人物の割り出しや特定までは、俺の仕事。威鶴がくれた情報から、電車の位置や場所を特定したのは俺な」
「あぁ、なんとなくそれはわかる」
「それから人と対立する事全般がマサルの仕事だ。愛想のいい顔して、初めて会う人でも信頼を得て情報を聞き出したり、犯人や被害者にも適切な対応をする」
確かに、あのタイプは話し上手だ。
誰とでも打ち解けられるだろう。
でもそれだけじゃBOMBにいる理由がない。
「他に何か、持ってるんだろ?」