威鶴の瞳


BOMBに入る条件には、他人よりも圧倒的な『何か』を持っていなければならない。

それは俺の能力だったり、トーマの強さだったり、雷知の情報処理能力だったり。



「そうだね。マサルは人を操る力を持っているよ」

「操る……?」



やはりマサルとは、仲良くなれそうにない。



「アイツの昼の仕事は『カウンセラー』。人の心を知り尽くしている。誘導尋問もお手の物だね」



そうか。

能力というものは、使い方によって善にも悪にもなる。



人の心をいい方向へ導くその力を、ここでは尋問として使っている。



マサルを少し、怖いと思ってしまった。



俺の場合は、過去を使って人を脅すことが出来る。

ただしそれは過去に後悔を抱いている奴にしか通じないだろう。



大抵は子供時代を詮索すればいろいろと出てくるが、その過去をすべて受け入れた上で今の自分が出来上がってるという考えを持つ人もいるだろう。

結局それは他人がどうこう出来る問題じゃなく、自分の中で解決する問題だ。

< 151 / 500 >

この作品をシェア

pagetop