威鶴の瞳
「よかったー!間に合った!」
そう言ってフラフラと雷知の隣に行き、座った。
「今日は来ないんじゃなかったの?」
そう言うレインにも、予想外だったらしい。
「……ちょ、待って、俺、……はぁ、めっちゃ走って来たから、ちょい、タンマ……」
どんだけ全力疾走してきたんだ。
少しすると、ようやく息がととのってきたらしいマサルは、いきなり立ち上がった。
俺もトーマもそのいきなりの行動にビビる。
レインも雷知も、みたいだ。
そしてまたいきなり腰を90°に曲げてお辞儀をする、俺たちに向かって。
俺たちはそれを見て、まばたきを数度、返すことしか出来ない。
……理解が出来ない。
「ありがとうございましたっ!」
そしていきなり礼を言われた。