威鶴の瞳
「他に心当たりは?」
「白蛇の奴らが叶香を追跡しようとしても、巻かれるらしい。だから何が起きてんだか誰も知らない。何か秘密でもあんのか?」
俺の中である物とこの内容からの推測が、一致した。
どちらかだけの情報なら、確かに気付きにくいかもしれないが、なぜお前は気付かない?
「トーマ」
「なんだ?」
「単に彼氏が出来たとかそんなんじゃないか?」
トーマの動きが、停止してしまった。
目の前で手をふらつかせてみるも、石のように動かない。
完全にトリップしてる――と思いきや。
「なん、だと?」
そう低い声を出した。