威鶴の瞳
「……アイツが、恋……?」
「その反応が嫌だから言わないんだろう」
「……誰と」
「そんなこと俺に聞かれても――……あ」
繋がった。
繋がってしまった、一つの答え。
だがこれは、あっちゃいけないことだったのかもしれない……。
「どうした?」
そう聞いてくるトーマに、俺は苦笑いを向けて、言う。
「もしかしてその、敵対してるチームの奴と、恋愛してんじゃないか……と」
そしてそれは白蛇にとって、大きな弱みになることなんじゃないだろうか?
トーマの顔が、いきなり真顔になった。
これはマズイ。
「トーマ、あくまで推測だ、落ち着け、竹原叶香の恋愛事情は知らないが、それと敵対するチームは関係ない可能性だってあるわけだし、もしかしたら逆に単独で仕掛けている可能性だってあるわけで、それにまだ依頼になってないんだろ?」
「叶香が仕掛けてんなら鍵なんて奪還する必要ねーはずだろ」