威鶴の瞳
――…
――――…
「……威鶴?」
「……あぁ、実家が遠いからな、BOMBの仕事後は大体あいつん家で休んでんだよ」
「……。……そう、か。だから、風邪ん時お前から連絡来たのか」
「そうそう」
……怖ぇ、マジ怖ぇ。
嘘って見抜かれそうで嫌いなんだよな……。
でも、さすがに人格が3つあるなんて言えないからな……。
うーん……トーマの悩むような声がなぜか聞こえる。
怖いから悩むな、変に焦らさないでほしい。
「威鶴」
「……なんだ?」
そして、最悪な事態になった。
「俺も行く」
「……は?」
「俺も依鶴さん家行く」
──あぁ、なんてことだ。
俺は一瞬、目の前が真っ白になった。