威鶴の瞳
振り向いたトーマと目がバチッと合う。
プラスチックのコップがストンと落ち、牛乳が床に広がる。
ガラスじゃなくてよかった。
……って、よくない!
下着はもちろん着ているものの、キャミワンピ1枚、髪はまだ濡れたまま。
そしてそしてそして……お風呂上がりの牛乳を、見られてしまった。
──恥ずかしい!!!
みるみる顔に熱が集まってくる。
それを隠すべく、顔に両手を当ててしゃがみこむ。
やだ、いつから起きてたの?
私、鼻歌とか歌ってなかったよね?
大丈夫だよね?
……あぁ、体洗ってる時にちょっと歌っていたかもしれない!