威鶴の瞳


他に変な事は?

とにかく牛乳見られたのが嫌だ、一番嫌だ、恥ずかしい!



指の隙間からソロ~……っとトーマを盗み見る。

トーマは私を目を見開いて見ている。

その顔は私同様、真っ赤だ。



え、トーマまて真っ赤になっちゃうの?

そこ真っ赤になっちゃうの?



とにかくお互いにパニック。



長い沈黙。

なにしたらいい?

まず何、どうしよう?



ひんやり、足に感じる冷たさで、ハッと気付いた。

下を見れば、転がるコップと、広がる牛乳。



「……あ、濡れて……」



まずは牛乳を片付けることから始めなければ、というかまたお風呂行き……。



「……大丈夫か?」



そこで初めて、トーマが口を開いた。
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