威鶴の瞳


トーマにとっては、家族の問題らしい。

きっとその中に、白蛇の事も含まれてるのかな、なんて、なんとなく思った。



「いいでしょう。竹原叶香の身辺調査依頼、承諾しました」



そう言ってレインは笑った。



「でもトーマ、自分で探る気なの?」

「いや、雷知に頼みたい」

「威鶴じゃダメなの?」

「……俺の過去は知られたくないし、叶香にも知られたくないから接触はしない」

「了解」



私の入るスキもなく、次々と話を進めていく二人。



「それでは先に値段交渉から。そうね……難しくはないけど指名代が入ってるから、とりあえず10万」











……とりあえず10万!?



それってボッタk──



「……あぁ、覚悟してた。前回の報酬もそのまま持ってきてある。短い付き合いだったな。ほら持ってけ。くっ……俺は後悔なんてしない……」

「言ってる割には手放さないじゃないのよ」

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