威鶴の瞳
history


俺にはかーちゃんがいて。

とーちゃんがいて。

ねーちゃんがいて。

妹がいて。



そして、俺を慕ってくれていた『白蛇』の仲間がいた。









「どうする?依鶴さん」



知りたい、トーマの過去。

でも、私の最大の秘密を教える事が、条件……。



私の最大の秘密というと……私が偽物だということ、威鶴と私が同一人物ということ、トーマの過去を見てしまったこと、依鶴の過去の続き……。

どれもバラバラに見えて繋がっている、最大の秘密であり、トラウマであり、恐怖の対象。

そのすべての中心である人格は、今は眠っている。



「前に少しだけ、話してくれたよな、過去」

「え?あ……」



あれは、本当に当たり障りのない、一部すぎて……トーマの過去とは決して比べものにならない過去だ。
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