威鶴の瞳
「どういうことだ」
「八坂さん、今はそういう話してる暇――」
「ユーキちゃーん」
俺はそう言って彼女を呼ぶ。
呼ばれた名前に反応して、顔を上げるユーキちゃん。
――目が、合った。
「や、やめて……」
目を合わせたまま、拒絶する。
違和感に気付いてるな。
過去を探り、彼女がここに来た理由を探し出す。
「小悪魔」
俺は彼女の瞳を見つめたまま、にやりと笑う。
「初めはTOPに興味があって近付いた。実力もあった。でも……そうか、バレたのか、彼に」
「やだ、だめ、言わないで……」
「脅されてた。『秘密にするから付き合え』。最低だな、彼」
「……アンタも、最低よ……」