威鶴の瞳


びくっ

……『あの子』、威鶴の時にも出たんだ……。



どう、説明したら……ごまかし方が、わからない……。



……ごまかす?

ここまで知られていて、まだごまかし続けるの?

本当の事を、いつまで隠し続ける気?



いつか、限界が必ず来る。

それは今なのかもしれない。



もう、私の中に二人居る事、わかってるからこんな事言うんじゃないの?

三人までとは気付いてないかもしれないけど、たぶん……おかしい事には気付いてる。



「今が依鶴さんだから、聞くんだ」

「……」

「威鶴には、聞けないから……」



私しか……私にしか、説明することが出来ない……。



揺れ動かされる、心。

もう……いいかな。

楽になりたい。
< 222 / 500 >

この作品をシェア

pagetop