威鶴の瞳
びくっ
……『あの子』、威鶴の時にも出たんだ……。
どう、説明したら……ごまかし方が、わからない……。
……ごまかす?
ここまで知られていて、まだごまかし続けるの?
本当の事を、いつまで隠し続ける気?
いつか、限界が必ず来る。
それは今なのかもしれない。
もう、私の中に二人居る事、わかってるからこんな事言うんじゃないの?
三人までとは気付いてないかもしれないけど、たぶん……おかしい事には気付いてる。
「今が依鶴さんだから、聞くんだ」
「……」
「威鶴には、聞けないから……」
私しか……私にしか、説明することが出来ない……。
揺れ動かされる、心。
もう……いいかな。
楽になりたい。