威鶴の瞳
雷知の依頼
……トーマから別の人を介して依頼を受けた。
遡ること数十分前。
レインに呼ばれてBOMBへ行くと、依頼書を渡された。
年齢と性別しか書かれていないそれに、依頼主は不明。
内容は情報収集だ。
「トーマから」
「え……?」
「家族が心配みたい」
家族……?
「俺が調べて……依頼にして大丈夫なんですか?」
例えバイトであったとしても、扱いは俺達と変わらないはず。
プライベート詮索禁止、BOMBではこの世界自体が独立したものと考え、表と裏では完全に切り離し、依頼中はどんなに自分を偽っていても、それがここでの自分。
プライベートでBOMBへの直接の関係は出来ないと思う。
「トーマの依頼を、占い師の柴崎依鶴に依頼させてきた。それについては問題ないわ」