威鶴の瞳
――柴崎依鶴を、調べる
BOMBから依頼人についての調査命令は、少なくない。
実際、情報関係依頼を受ける俺たちみたいな奴には、ちょくちょくこういった仕事が来る。
でも今回はマサルが呼ばれていないところから察するに、俺だけに与えられた命令。
つまり、二人でするには依頼優先だが、単独では命令の方を進めろ、と言うことか。
でも、なんだか嫌な予感がする。
今までの経験からいうと、こういう命令の時は何もなく終わった試しがないからだ。
何かしら必ず見つかる。
それは犯罪履歴だったりとか、自殺未遂だったりとか、裏取引、BOMBへの裏切り、などなど。
レインの予想が外れたことは、一度たりともない。
つまり、柴崎依鶴は何かを隠している、と言うことになる。
「なんでまた、占い師……しかも威鶴の身内ですよね?」
「匂うのよねぇ……プンプンと、妖しい香りが」
「……」