威鶴の瞳


言いながら、上唇をねったりと舐める。

まるで獲物を逃すまいとする獣のようだ。



この人一体何者なんだ?

BOMBのメンバーである以上、普通の人間でないことは確かだと思う。

言うならば、女のカンが人一倍働く……と言ったところだろうか?



女は怖い。



「雷知、今何か失礼なこと考えなかった?」

「いえいえ、何も」



美しい。

レインさんはBOMB一美しいですよー。



……思考の上書き。



「と言うわけで、柴崎依鶴の件も並行してお願い。新しいことがわかれば逐一報告お願いね」

「……了解です」



一体何が隠されているのだろう?

心配以上に、好奇心が勝る。
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