威鶴の瞳
「むしろ話せたことでようやく解放されたってとこだろう。さて、面白い茶番も見ることが出来たし、行くかトーマ」
「あ?あぁ」
全員が茫然と俺たちを見つめる中、二人でドアを目指し、開けたところで当然の疑問をぶつけられる。
「アンタたち、一体なに……」
その疑問をぶつけてきたのは、今や悲劇のヒロイン・ユーキちゃん。
トーマがエレベーターのボタンを押し、俺はドアを押さえたまま振り向いて言う。
「俺たちの組織はBOMB。基本は組織破壊・組織援助、横奪・奪還なんてものを依頼されるが、お前たちの関係についてはおまけだ」
そして、今回の目的物である金庫の中にあったものを取り出し、見せつける。
「爆弾投下。どうだった?」
視界に入れた、なぜか俺の持っているソレに、全員が凍りつく。
ニヤリと笑い、それだけを言って、ちょうど来たエレベーターに乗り込んだ。
さっきまでいた部屋で騒ぎ出した音が、小さくなる。
エレベーターが下降していく。