威鶴の瞳
こんなにも、何人もこんな能力を持つ人が存在するか?
遺伝でこうなるものか?
いや……両親はいたって普通、らしい……。
何がどうなってる?
何が起きている?
なぜ同じなんだ?
そう考えようとする反面、一つの答えに、脳がすでにたどり着いている。
だとするならば、名前、身長、能力……多くのつじつまが合ってしまう。
レインは……これに気付いていたのだろうか?
『威鶴と柴崎依鶴は、同一人物であり、柴崎依鶴は男と性を偽り、威鶴としてBOMBへバイトとして入ることになった。
それ自体は問題ないが、依頼はBOMBのメンバーはしてはいけない。
どんな姿であっても、プライベートで直接依頼をすることは禁止の上、プライベートでのパートナー同士の接触も厳禁。
つまり威鶴は今、BOMBの契約違反となる可能性がある』と――。