威鶴の瞳
息を吹きかけてきて、ビクッ……背中に走る甘い痺れ、くすぐったさ。
耳を押さえてトーマに向く。
「な、な、なにするんですか!?」
「いや、どこまで我慢するのかと思って」
「我慢??」
「目合ったのに反らすし、それから頑なにこっち見ようとしないから」
つまり。
遊ばれてた、ってことでいいのだろうか?
いやいや、悪質すぎる、この遊びは心臓に悪い、ぜひやめてほしい。
「もう目反らすのやめますから、こういうことしないで」
「早速反らしてる奴が何言ってんだ?」
「いちいち合わせなきゃいけない理由もないので」
「じゃーまたするしかないよな?」
そう言って首筋に指を這わすトーマから、再び甘い痺れを受ける。
「やぁっ……」
そう言うとピタリとその指を止めたトーマ。